「辛気くさいな」



「だけど、浩介分かるの?」



「さぁ、な。でも、歩いてればどこか付くんじゃねー?」



「はぁ……」



かれこれ、数分歩いただけであたしは、疲れてしまっていた。
精神的にも参ってしまってるのかもしれない。



「ほら……」



浩介が、あたしに背中を向ける。



「おんぶ!?」



「ししょうがね~からだぞ!?」



いつもは、こんな事してくれなにのに……



あたしは、嬉しくなって浩介に飛びつこうとした。その時だ……誰かが、あたしを抱き寄せ浩介の代わりにおんぶしてくれたのだ。



「え!?」



なんで!?誰!?



「キミ軽いね?思わず、おんぶしちゃったな」



そこには、茶髪でチャラチャラしてそうなお兄さんが居た。あたしをおんぶしながら……



耳には、ピアス。甘い甘い匂いがする。フワリと髪からは、甘いシャンプーの匂いもする。



「……お前!」



浩介が、チャラチャラのお兄さんに殴りかかろうとするが、あたしを落とす真似をしたのだ。



「一歩でも、近付いたら落としちゃうかもな!この可愛い彼女」



「っ……」