会ったことはない。

でも、波崎の実の父親共々、波崎を煙たがっているらしい。

「誘われないの?」

「断った。」

ふぅん、だけ返した。

「帰るかぁ。」

うーんと伸びをすると、波崎は立ち上がり、「結城ーっ」と叫んだ。

ここに来た時と同じように。