「おまたせ。」

波崎が帰ってきた。

「何。何話してたの?」

波崎が座っていた椅子に座る橋本結城に聞く。

「うーん…。人間になったアルマジロの話?」

今思いついたような、白々しい嘘を言う。

「何それ。」

最後に?がついていたのにも関わらず、波崎は楽しそうな顔をした。

「秘密ーっ。じゃ、俺奥にいるから、帰る時は呼んでね。」