「前は志緒と香だったからね…。」

私はステーキを口に運ぶ。

「でも、二人が名字で呼び合ってる意味は知らない。」

橋本結城は難しそうな顔をした。

「距離をとるため。」

私は嘲笑うように言った。

過去の自分を嘲笑うように。

「名前で呼び合わないと友達ってゆーか、近い感じしないじゃん?」

「…そっかなぁー?。」

橋本結城は納得いかない顔をして、波崎の食べかけのオムライスを見た。