「よぉ、っす。」

意味わかんない掛け声をかけてきた波崎。

「何、急に。」

「腹減ったんだけどさぁ。どうも、一人じゃファミレス入る気しなくて。困ったもんだよ。」

呼び出されたこっちが困るっつうの。

「いくら持ってる?」

波崎は聞く。

私は五本指を突き出す。

五千円、という意味で。

「500円しか持ってないのっ?でも、大丈夫。これから行くとこは安いから。」

「波崎、私そんなに金欠じゃないから。」

フードコートに行くんじゃないんだから。