自分の席に座って、窓の外を見た。 蝉が鳴いている。 暑い気温が、さらに増して暑く感じる。 桜が儚く散ったように、蝉も短い命の中で鳴き続ける。 誰に何を言われようが、それが生きている証だから。 太陽の光がまっすぐにあたる。 「志緒ちゃん、おめでとう。」 静かに菜月が近付いてきて、言った。