後ろの席で良かったと思う。
あんな無様な格好、誰かに見られたくないから。
私のイメージって、coolよりdryだから。
「起立、礼。」
やっとホームルームが終わって私は席を立った。
今は一番、神様に近い場所に行きたいと思ったから。
神様は、屋上で空を描いているのだと思っていた。
雲も雪も雨も虹も。
全部、神様が絵の具を持って描いているんだと思っていた。
我ながら、すごい想像力だ。
この高校の屋上は閉鎖されてるから、行けないけど。
だから、神様に最も近くに行ける場所は屋上に続く階段だった。
誰もいなくて、静かで。
私は独りを気に入った。
でも、それは時に寂しくするものでもあった。