時計台は、屋上よりも低いけど校舎より高かった。

時を刻む時計は怖いくらいに正確で。

少しくらい狂っても良いと思った。




狭い階段を上った。

木の階段は軋む音をたてる。

秒針の刻む音が大きく聞こえる。

「綺麗…。」

思わず、声を出す。

空には途切れ途切れに雲が繋がっていて。

雲の切れ間から見える空が青く見える。

空を見ると、少しだけ心が晴れる気がした。

「ごめんね…。」

誰に謝っているんだろう?

江鳩くん?

それとも…あの子?