ーーー…

海の入り口には、バイクが置いてあった。

すぐに、誰のものかわかった。

「久しぶり。」

私は懐かしの海に戻ってきた。

そこには、やっぱり君がいた。

「バイク、乗ってんだね。」

私は言う。

「卒業、やっとしたしね。」

君は笑う。

波の音。

「江鳩くん、私ね。思ったんだ。」

何を?

そういう目で聞く。

「神様って、屋上だけにいるんじゃないんだよね。」