「絵、上手いじゃん。」

前の席から椅子を取って、こっちを向く。

「ううん。」

私は首を横に振った。

「何でここにいるの?」

聞いた。

「空に一番ちかい場所を探してたんだけど。」

階段のことだ。

「空、好き?」

鉛筆を持って、続きをやり始める。

「…うん。」

「なんで?」

続けて質問をする。

私は、神様に会いたいから。

会って、罰を受けないと行けないから。

江鳩くんは黙っていた。

そして、立ち上がった。

「さて、と。また探してきますか。」

腕を前に伸ばして、言った。

「じゃ、頑張ってね。」

美術室を出て行ってしまった。