放課後の美術室は、ハチミツレモン色の光がさしている。
切なくて、儚くて。
今しかみれないと思うと足が止まってしまう。
「志緒ちゃん。」
その光を見ていたら、後ろから声をかけられた。
「えっ。」
バランスを崩して、椅子から落ちそうになった。
「びっくりした…。」
私は椅子に座り直して、言う。
「見てるこっちがびっくりするし。」
その声は笑っていた。
江鳩くんだった。
「なに描いてるの?」
私が描いていた絵をトントンと叩く。
「課題なんだ。まだ、終わってないから。」
「ぼーっとしてたけどね。」
呆れ顔で言われた。
返す言葉もございません。