「…美和。」

私は言った。

「久しぶり。」

飛び降りたことなんて、なかったかのように美和は極上のスマイルを見せた。

「久しぶり。」

会って、最初の言葉が“ごめんなさい”じゃないことに嬉しく感じた。

「志緒は彼氏できた?」

学校のことも、なんで私がここにいるのかも聞かずに、美和の口から出た話題はそれだった。

「いない。」

「つまんないの。」