ここに感じる、“生”

美和が漫画を読んでいる。

タイトルは『人間になったアルマジロ』。

どこかで聞いた事ある気が…。

「…志緒?」

美和が口を開く。

私は美和が枕を投げつけてこないか、構える。

「志緒…志緒だよね?背高くなったから、少し違う気したけど。志緒だよね?」

私は美和の興奮する声を聞きながら、背中が熱くなった。

美和の目には、まだ15歳の私が残っている。