私は美和と話がしたいと思った。

朝一番に、江鳩くんの席の近くで待ち伏せる。

「おはよ、何やってんの。」

後ろから肩にエナメルバッグをかけてる江鳩くんが現れた。

「おはよう。今日の午後空いてる?」

江鳩くんはキョトンとした顔をして、

「デートのお誘い?」

と言った。

「違うって。美和が…美和がね…っ。」

江鳩くんは驚いた顔をしてたけど、状況を掴んだみたいで。

「わかった、行こっか。」

笑って返事をしてくれた。