冷たい声だったかな、そう思う。
「確かに、格好いいもんね。」
微笑んで、菜月は言う。
「惚れた?」
「さすがに、それはないよ。」
「そっか。」
会話終了。
「菜月~。ちょっと来て~。」
菜月を呼ぶ声。
菜月はそっちを少し見て困った顔をした。
でも、女子の数人が手招きをしてる。
「行かないの?」
私は言う。
「んー…。」
少し唸り声を出す。
何か迷っているようだった。
「行きなよ。」
突き放すように言った。
私といると、評判落ちるから。
「行ってくるね。」
帰ってくる訳でもないのに、菜月はそんなことを言った。