それとも

「あんたの顔なんて、一生見たくない。」

と言って、私に枕を投げつけるのかな。

…どっちでも良いよ。

どっちでも良いから、目を開けてよ。

私に枕投げたって、花瓶投げたって良いから。

「…美和っ。」

私は美和に掛けられているシーツを強く握る。

ベッドの奥にある“岡本美和”のプレート。

美和から香る、病院の消毒液の匂い。

今、ここにいる自分。

全てに、無力さを感じた。