この近くでは、結構大きい第一病院。 最初に真っ白な壁が目に飛び込んでくる。 次に消毒液の鼻をツーンとさせる匂い。 私はバッグを少し握りしめて、波崎に聞いた306号室の階に上がる。 だんだんと足が重くなるのを感じた。 306号室の前に来た。 深呼吸をする。 でも、肺がちゃんと空気を受け取らないのか、浅く息を吐く。 私はスライド式のドアを開けた。 六つのベッドがあって、それぞれカーテンで仕切ってある。