「死んでなかった?」

江鳩くんは口を開く。

私は頷いた。

「…植物状態なんだって。」

「それで、今に至る訳だ。」

しばらく、沈黙が続いた。

江鳩くんの話を聞いた時は泣いた。

でも、私は罪を犯したんだ。

友達を屋上から飛び降りさせるくらいの。

「志緒ちゃんは…泣いた?」

江鳩くんは足を投げ出す。

「泣いてない。」

「悲しくなかった?」

悲しかった。