靴箱から出た。

私は空を見上げた。

「青い…。」

菜月は空を見上げて、呟いた。

「きっと、いっつも地面ばっかりみてるから。目がコンクリートの黒になじんじゃったんだよ。」

私はくすっと笑った。

頬を膨らませる菜月。

「でも、確かにそうかもしれないなぁ…。ずっと俯いてたから。」

困ったように、笑った。

「菜月、明日何言われるかわかんないよ。」

私は言う。

「いいよ。」

今度は笑顔だった。

「私。志緒ちゃんみたいに強くなりたいから。」

だから、私は強くないって。

心の中で呟いておいた。