足が反射的にピタリと止まって、もつれた。 「ぎゃっ。」 「きゃぁっ。」 私の低い声と高い声が混じって、廊下をすべった。 頭を打たないだけよかった。 私は体を起こす。 「何してんの、菜月。」 眉を潜めた。 「わ、たし。やっぱり、撤回する。」 はぁはぁ、と息を切らしながら言う。 「何を?」 私はゆっくりと聞く。 「私、志緒ちゃんの友達でいたい。だから…。」 だから。 「友達でいて。」 涙を零しながら私に飛びついてきた。