私は何かを言いたそうな菜月の姿が、美和と重なって目をそらした。

「あのね、志緒ちゃん…。」

菜月は言い出す。

「何?」

私は次に読む本を探しながら聞く。

「…もう話せない…。」

ゆっくりと菜月を見る。

「え?」

「もう、話せないの。志緒ちゃんとは。話せないたけじゃなくて、一緒にいちゃいけないの。」

呆然としている私。

必死に言葉を紡ぐ菜月。