「波崎、今日夕飯一緒に行かない?」

靴箱に上履きを入れながら、私は言った。

波崎からの返事が来ない。

靴箱はクラス毎だから、少し遠い。

聞こえなかったのかな。

私は波崎の方を向いて、

「波崎ー。今日…。」

波崎は固まっていた。

何かを凝視しながら。

驚いた顔をして。