「うん。」

懐かしむような声が返ってきた。

前、やっていたんだなと察した。

「あの。さ、職員室。」

私は言う。

「あ、そっか。」

また廊下に戻って、江鳩くんは歩きだした。

「ここ、屋上まで行けんの?」

前を向いたまま、聞いてくる。

「行けないよ。」

私は答えた。