「…で、私に頼んだと。」

菜月は深く頷く。

「いいよ、別に。」

そう言うと、菜月はあの子犬の表情で喜んだ。

その表情が、あの子と重なって。

「…志緒ちゃん?」

「あ、それだから。じゃあね。」