生きる道は

ひとつではない

そんな

簡単なことに

気づかなかった



「失礼しました。」

私は保健室のドアを閉める。

そして、職員室への近道を行こうとした。

「…江鳩くん。そっちじゃないよ。」

江鳩くんは、反対の道を行こうとしていた。

「この学校って、全部つながってるじゃん…?」

何が言いたいの?

「どういう意味?」

「職員室。こっちからでも行けるはずでしょ。」

私の返事も聞かずに、歩き出していた。

仕方なく、私は後に続く。

あれ…

私が案内してるんだよね?

「あ。」