「菜月?」

閉まっているカーテンを少し開ける。

「あ…志緒ちゃん。」

「大丈夫?」

「…うん。」

苦笑いをする。

「午後の授業は?出るの?」

私は聞いてみた。

「出る、社会だもん。」

窓から風が入る。

菜月の肩につきそうな髪の毛を揺らした。

「窓、閉めようか?」

私は窓枠に手をかけた。

「あ、ううん。風入った方が涼しいし。」