背が高くスラッとした体。
青いくらいに白い肌に闇のように黒い髪。
目は紫。片目は髪に隠れている。
耳には鎖のようなピアス。体には古傷。
そして何より目をひく真紅の唇。
思わず触れてみたいと思ってしまった。
「…起きたのか。」
低く冷たい声。黒いブーツをゴトゴトと鳴らして近づいてくる。
私も近づこうとして体をとめた。
「…そっ、それ…。」
彼の背中には大きく硬そうな黒い羽がついていた。
「…あ、あなたは…
悪魔?」
「…ああ。」
声がかれる、喉が渇く。混乱で呼吸が乱れる。
恐怖で体が震えはじめた。
「…アァ…イヤッ!こないで!」
私は手を振って、首を振って、がむしゃらに抵抗した。
「…ッ、…」
何もしてこない…。
体を手で支え、そっ顔をあげた。