「…手段ならいろいろあっただろ?」










「……」










「例えば…早く天に帰してあげるー…とか。」










「……それはちゃんと手伝ってる。しかし、今のままだと帰せないだろ。」










「まぁ…悪魔の世界から天の世界へは行けないよ。一度人間界に行ったとしても悪魔への警戒から滅多に入口は見つけられないからな。」










「あぁ…。だから向こうから使いがくるの待ってた。…から、こうなった。」










「じゃあいっそ悪魔にすれば?」










は?










冗談じゃねぇ。










俺はあいつを睨み上げる。










「悪魔にしたら、一生帰れないだろ、天には。」










奴は目を細めて微笑んだ。










「ま、そうだよね。」










はぁ。やっぱどうしようもねぇ。










壁に背中を押し付け座り込む。










黒髪に指をいれ力をこめた。