『おぃ、おとなしくすっから離れろよ。』
ちづるに別れをつげてきちんと奴らのもとに戻ったのだが
……さっきの逃亡でかすかな信用もなくしたらしい。
脇を固められて自由に動けない。
っていうか引きずられるように前へ歩かされている。
『あのなぁ…』
何を問い掛けても反応がない。
………つれてかれるがままになっていた。
コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツ…
カツ…カツン…カ…カツ…カ…
大理石に響く足音だけが響いているはずだった。
なのに先程言った声が上から降ってきたのだ。
『…え…?』
その声に喉がつまる思いをした。
『どうだ、ここは。君が住んでいるところと違い、気分がよくなるだろう。』
……は?俺のこと…馬鹿にしてんのか?
黙ってられねー。