「そろそろ行こうか、姫。」










真っ赤な血を魔力ではらい、綺麗な手で彼女に触れようとする。










「…スー…スー…」










「……ッ、」










でも…綺麗にしても彼女に触れることをためらった。










「…なんか、汚いな…俺。」










いや、彼女が綺麗すぎるのかも知れない。






















「…愛してるよ、ちづる。」










何よりも。










もちろん自分よりも。










この世界よりも。










俺は君を愛してる。










…彼女の桃色の唇に俺の真っ赤な唇をあわせた。