「!!…ヒッ…ヒィ…イ…」
腰をぬかしてへたりこんでいる。
………醜い。
「………と、まぁこのように。さっさとやらせてもらいますね。」
怯えたように目を泳がせているが焦点があってなかった。
「……や…いや、む…娘は……娘はやめてくれ。」
…ん?娘を思う気持ちをもってたんだな。
「…お、お願いだ!!私は…いいから…な、な!」
「ご心配なさらず。私は彼女の命ではなく彼女自身をいただきますから。よろしくお願いしますね、お父さん。」
一応、この人もお父さんだからな。
……彼女が俺を愛してくれたら。
「…そ…そうか…殺さないんだな…、なら…いい。くれてやる…だから、だから俺を殺すな!!やめてくれ!!ちづるはどうしてもいいから!!!」
………は?
「なぁ?…いいだろ?…見逃してくれ、お願いだ!!!」