「……もう、おやすみ。」
彼は耳元で甘く囁いた。
その声に意識を奪われるように、彼の腕の中で眠りについた。
「……おやすみ、ちづる。」
彼女をベットに横たわらせる。
ちょっと待っててね、姫。
一応、仕事もこなさなきゃね。
まだ叩かれつづけている扉に歩みよった。
「…おい!!もの音が聞こえてるんだぞ!!!おとなしくしても無駄だ!!!早くでてこい!!!!」
あー、本当うるさい奴。
よくこいつからこんな可愛い子が生まれたよ。
不思議でなんねー。
ドアノブには触れず、魔力で扉の鍵をあけた。
バン!!!
扉のむこうには鼻息の荒い男が立っていた。