「おいっ、あけろ!!返事をしろ!!!ちづる!!」










……あけなきゃっ。










立ち上がって扉に向かおうとした。










パシッ…










腕を柔らかく掴まれた。










「…!?」










「ちづる、もう一度聞く。










俺と一緒に逃げよう。」










逆光で彼の顔は見えない。










どんな表情をしてるんだろう。










…彼は何て言う名前なんだろう。










……知りたい彼のこと。










もうお父さんの声は聞こえない。










……私には金髪の彼しか見えない。










「……はい。」










もう、ここにはいれない。










彼は強く私の腕を握った。