「…ッ…クッ…」
息ぎれを殺している声が頭上から聞こえる。
やっぱりこのままではいけない。
私から力をこめて抱きしめた。
「…ッ…?」
「亜羅…私ね、亜羅と離れていろいろ考えたんだ。」
「…」
「…始めは契約を結ぶことの重大さ、わかってなかった。」
「…、ん。」
「…で、傷毅さんに気付かせてもらった。亜羅はわかってたんだよね、結婚することはけして簡単なことじゃないこと。」
「…ぅん。…ッ」
「なのに私、一方的に契約結んじゃって。失望したよね、せっかく私の未来を大切にしてくれてたのに。…ッ、ヒッ…クッ…ごめ…ん。」
「…」
何も言わず、思わず流れた涙を拭ってもう一度、力強く抱きしめてくれた。