「フ…フゥ…。」










痛みはなくなり傷口もふさぎ、だいぶ楽になった。










「…ン…ハァ…はぁ。」










手当てのせいで息があがっている。










このままでは亜羅が倒れる。










ゆっくりと彼に向き合うようにまわった。










「ありがとう、すごく楽だよ。」







「そっか、よかった。」










しんどさを抑えて無理に笑っている。










「…大丈夫?」







「あぁ、ちょっとたてばなおる。」











えっ、でもー…と、言おうとした私をと止めるように抱きしめてきた。










「…こうすりゃ、治るから。」










そんなに抱きしめられると…何も言えないよ。










大人しく彼の胸に頭をつけ、彼の腰に手をまわした。










ドクン…ドクン…










彼の心音が聞こえてくる。










それは愛しいあなたと過ごしているという証拠になる時計の音に聞こえた。