「気付くのおせーよっ」



あたしの隣に座った椋ちゃん。




「吉田来たし…、帰れば?」



奈々ちゃんが言った一言。



「お前も、大介が待ってるけど?」



『えっ!?』



重なったあたしと奈々ちゃんの声。



だって!!!
だってだって!!!



大介が待ってるって………


「よかったねっ……!!!奈々ちゃんっ!!」



何がなんだかわかっていない奈々ちゃん。




「早く行けば?」


「え……、ほんと?」


「うん。」


またニヒっと笑った椋ちゃん。



「奈々ちゃんっ!!早く行かなきゃ〜!」



なぜか奈々ちゃんよりも興奮しているあたし。


それを見て呆れた様子の椋ちゃん。



そんなの気にしてらんない。



「あ、あたし……行ってくる!!!」



「行ってらっしゃーい!!」


「頑張って!奈々ちゃんっ!!!」




バイバイって振る手に必要以上に力を込めた。





だって、幸せになってほしいもんっ。



奈々ちゃんには………