「も~。朝からなんでそんなに怒ってんの?菜月ちゃん?」


呆れたように話しかけてくる奈々ちゃん。


「だってえ~・・・」



口を尖らせながら話すあたし。



だってね?
椋ちゃんが言ってくれないから…!



「また吉田?」


「うん、椋ちゃんだよ!原因はっ!」


「はあ~・・・」


「あっ!奈々ちゃん!あのねっ、昨日知ったんだけどね!?ため息したら、幸せ逃げるんだよ!?」


「はあ?」



だって、お母さんが言ってたもん!


ため息を吐いたら幸せ飛んでっちゃうわよ、って!!!




そんなのいやだよね!?



「だから、もうため息吐いちゃダメだよ!?」


「・・・そんなの知ってるけど?」


「え!?」



奈々ちゃん、知ってるの!?



なんで!?
あたし、昨日知ったばっかりなのに!?



あ、そっか!



「奈々ちゃん、物知り博士なんだねっ♪」


「・・・はあ~。」



また呆れたようにため息を吐く奈々ちゃん。



だからため息はダメって言ってるのに~・・・。




「相変わらず、菜月は天然だね;」


「え!?どうして!?今のあたし、普通だったでしょ!?」


「ううん、全然。」


サラッといわれた言葉。




実は、その言葉を聞くたびに悲しくなっちゃう。



だってね? 天然なんて、椋ちゃんとつりあわないじゃん。
それでなくても、椋ちゃんには奈々ちゃんみたいにお姉さんが似合うのに・・・。



だから、天然にならないように気をつけてるのに…。



でも、その前に・・・天然ってなんだろ?