あ、なんかやべっ…



菜月をみて今更恥ずかしくなってきた俺。





「あ、ありがと!」



真っ赤なリンゴのような顔をしてポツッと呟いた菜月。




……なにがありがとうなんだ?




よくわかなんないけど……


まあ、いいか。










「じゃあ…ばいばいっ」



少し、寂しそうな菜月。





そんな顔すんなよなー……




でも、菜月には兄ちゃんから決められた門限があって。



それまでに帰ってこなければ3ヶ月外出禁止とかなんとか。





菜月の兄ちゃん達はすっげー過保護野郎。




あれは普通の人から見たら最悪なヤツら。





でも菜月は……
好きなんだってさ。




厳しいけどすき。




あ、そ。




ちょっと兄ちゃんにヤキモチやいてみたり?







「椋ちゃん……?」



返事をしない俺を不審に思ったらしく、顔を覗き込んでくる菜月。