私は意識を飛ばしている間、昔の事が鮮明に蘇った。
私はすごい勘違いをしていたようだった。
『静夏…!!しっかりしろっ』
絋希さんが私を呼ぶ声で目を覚ました。
私が意識を取り戻したとき、絋希さんの腕の中に居た。
「絋希さんが…こうくんだったんですね…。
っ!!!!絋希さん!!!!!」
私が絋希さんに笑い掛けたとき、置かれている状況を理解した。
絋希さんは頭から血を流したまま、私を抱き締めていた。
私はすぐに起き上がり、地面に座り
絋希さんの頭を持ち上げた。
「思い…出した、ん…だ、な。け…がして、ない…か…?」
「私は大丈夫だから、喋らないで!!」
「良…かった…。静、夏…愛してる」
そう言って絋希さんは目を瞑った。
「……絋希さん…?
絋…希さん…??
ねぇ…。目を開けてっ!!!
私を見てよぉ……。
お願いっ…―――」
私は無我夢中で絋希さんを抱き締めた。