「拓哉くん?」


「その人の名前!三浦拓哉(みうらたくや)って言うの。自己紹介聞いてなかったの?」


「うん・・・」


「どうするの?」


「取らないよ。取る理由ないし、会ったら・・優輝のことで頭いっぱいになるから。」


彼の笑顔を見ると、何故か優輝の笑顔と重なる。


思い出さないようにしていた思い出が、いとも簡単によみがえる。


苦しくなるの。


でももう会うことはないだろう。


だから、神様がちょっとイタズラだけだって。


それだけだったんだって思ってた。