「でも、怖じ気ついたのね・・きっと」 綾香さんが、私から目を反らした。 「あなたという恋人がいたから」 え、私・・? 「あまりにも愛しあっているから。勝てるわけないって思った。・・・だからこそ」 「拓哉。あなたに甘えてしまったの。でも・・・それも今日で終わり。前へ進む・・・アメリカに戻るわ。今まで、ありがとう」 綺麗な笑顔を見せ、カフェから出ようとした。 「綾香」 たくの声にピタッと止まる。