「それは、あなたが優輝くんを愛してるからでしょ?」
「綾香さん」
真っ直ぐ綾香さんを見る。
「私は、たくが好きです」
ピクッと綾香さんの眉が上がる。
「私は、確かに優輝を愛していました。居なくなっても、ずっと想っていました。優輝以外、考えられなかった」
伝わって欲しい。
私の、気持ちを。
「でも、会ってしまったんです。たくという人に」
見た瞬間、優輝だと思った。
でもそんな夢は一瞬で…すぐ現実に戻される。
「最初は、避けてました。優輝に似てるし、思い出がよみがえってきて、辛かったから」
優輝がいない現実。
受け止められない弱い私。
とにかく、たくから逃げることしか頭になかった。