たくの体温に包まれたい、そう思った。


「甘えん坊」


そう言いながらも、たくは優しく抱きしめてくれた。


次第に抱きしめる力が強くなる。


トクントクン


たくの心臓の音が聞こえる。


それは、私を安心させてくれる幸せな音。


ねぇ、たく。


私のドキドキも聞こえてる?


私もたくに幸せな音を伝えたい。


「もうムリ」


たくがため息をこぼした。


「何が?」


「まな、今日泊まって。」