「俺のせいかよ」

「そうだよ」



酔いは覚めてないのか、咲の顔は赤みが増している。




「あんたが気付かせちゃったから、別れたんだよね」


「……はぁ?」


「あたし、彼氏のことあんま好きじゃなかった訳ですよ。それ気付かせちゃったじゃん」


「……やっぱそうなんじゃねェかよ」




お前は彼氏が嫌い。
間違ってなかったじゃねぇか。




「体ばっかりだったのアイツ」


「……ふーん」


「だから男ってさいってー」


「…そうだな」


「…もう、いらない……」


「…………」


「こんなんだったらもう男なんていらない」




その時のアイツの顔はあまりにも泣きそうで、俺は何も言えなかった。






.