それから一週間。


俺はほとんどを武田の家で過ごした。

この間、大学にも行かなかった。

情けない話だけど、佳澄を見かけたら涙腺が崩壊しそうだったから。

そんな俺を何も言わずに置いてくれた武田は、ものすごくいいやつだと思う。





そして、今、俺は一週間ぶりの大学にいる。


たった一週間、されど一週間。


俺は世界に絶望して過ごしていたけど、そんな俺を気にもかけず、地球は淡々と回って行くんだよな。

なんて、変な感傷に浸っていたら突然後ろから声を掛けられた。



「一樹…」




それは俺が最も聞きたくなかった声で、俺が最も欲していた声。





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