夕飯の後、私の部屋をどこにするかという話になった。
「俺の部屋、半分使う?」
梧郎くんの部屋は、もともと竜也さんと恭介さんが二人で使っていた部屋だったそうだ。
つまり、広さは十分ある。
「あ、変な気はないからね。ベッドもそのままおいてあるし、いいと思うんだけど」
恭介さんも不満はないらしく、それにうんと頷いた。
宏太郎さんも同じく続いた。
「でも、着替えてるところが見えたりしたらいけないから、カーテンをつけましょうか」
美雪さんは、そうなることがわかっていたかのように部屋を真ん中から区切れるようにしていた。
私の荷物を三兄弟が運んでくれているあいだ、美雪さんがこっそり私に話しかけてきた。
「杏奈ちゃん、下着とか揃っていますか?」
「数は多くないです…」
「次のお休みに、買いに行きましょうね」
美雪さんは優しく微笑んだ。
…こんなにお世話になっていいんだろうか。
私はこくりと頷いて、自分の部屋になる場所へ向かった。