いわゆるイケメンといってもいいかもしれない。
「俺、長男の竜也」
肩まで伸ばした髪を少し流していて、帽子がよく似合う。
寝起きなのか、不精ひげが見えたけどそれもまた、なんだか…彼を引き立てているというか。
「あ、杏奈です」
「よしお前らどけ、俺もハグしたい」
「兄貴が触ったら汚れる」
「そうだそうだー」
恭介さんの言葉に乗る梧郎くん。
扱いがひどい。
「ひどいな弟ども…な、杏奈ちゃんは俺と仲良くしたいよな?よし、手をつなごう!あっはっは」
「竜兄さんはホストしてるんだ」
ああ。それでこの扱いなら納得できる。
「はい、握手」
両方から梧郎くんと恭介さんに挟まれている私の手をとって上下に激しく振る。