ケイさんの夢を
叶えることはできないけど、
あたしに何かできることは無いかな。



本当の魔法や、魔法みたいな
こんな日々をくれた
ケイさんに

あたしからあげられるものは
無いのかな。









あたしはこの日からそんなことを
よく考えるようになった。






魔法使いにお返しなんて
バカみたいな話だけど

ケイさんが好きだから。



でも、ケイさんに似合う物も
ケイさんの好みも知らない
あたしには、

絵を描くことしか思いつかなかった。







もう迷わない。

この絵をケイさんのために。








あたしは毎日学校から帰ったら
自分の部屋で無心になって絵を描いた。





ケイさんは相変わらず猫みたいに
どこかへ出て行ったり、
ウチにいたりだった。


でも、ウチにいるときは、
『今日もかわいいですね』
とかって優しくしてくれた。