初めてわかった。
ケイさんはずっと辛かったんだ。
人の夢を叶えることでしか
生き続けられない自分が。
自分の意思で生きられない。
自分で人生を選べない。
自分の夢は叶わない。
そんな苦しみを開放するのは
死を選ぶことなんだ。。
ケイさんは眉毛と目じりを下げて
こんな話すみません。
という顔で
アタシを悲しげに見た。
もう、言葉は出てこなかった。
あたしには魔法もないし
ケイさんの気持ちを
どうにかする話術もないの。
どうしたらいいのかなんて
二人ともわからなかった。
ただ、二人とも
そこを動こうとしなかった。