「片岡先生のお葬式に行きたいやつは廊下に並んでー…。」



竹ちゃんが行く人をチェックするために名簿を持って廊下に出ようとして、



「…その必要はない…か。」



あっという間に空っぽになった教室を見て、名簿を教卓の上に置いた。



 お経をぼんやりと聞いていたら、俺はだんだん自分がどこにいるのか分からなくなってきた。



正面に目を向けると、先生が黒い額の中で幸せそうに笑っていて、俺の頭はもっと混乱した。



知らないうちに焼香が終わっていた。



…いや、したんだろうけど全く記憶がなかった。